2021/2/28
ここのところ、あまりアトリエでの作業ができていないせいか、どうも調子が上がらない。
今日久しぶりにアトリエに行くと、雲の印影が浮き過ぎているように見えて妙に気になった。
色をなじませつつ全体を整えようと作業を始めてみても、どう手を付けていいものか、うまくいかない。
それでも進めるしかないので、これだと思う方法で手を入れ続ける。
少しずつ、馴染ませるべき部分と、抜くべき部分と、足すべき部分と、1つずつ手を入れていく。
正直言って調子は最悪である。
しばらく時間を置くと、こんなにも筆が重いのか、といつも思う。
この筆触のかすれは是か非か。
重ねた色と下から透けている色は整合が取れているのか。
タッチが細かすぎる、もっと大きく色面を取るべきではないか。
などと考えている時点で集中できていない証拠なのだ。
時々、どんなふうに絵を描いているのか、描き方を教えてほしい、と聞かれることがあるけれど、とてもそんなことは答えられないと思う。
もしも、絵描き歌みたいな完成までの確固たる道筋があるなら、逆にこちらが聞きたいくらいだ。
結局、2時間くらいで、今日はもうこれくらいにしよう、と筆を置くことにした。
ただ、作業を終えて離れて見ると、思ったほどは悪くない。
浮き過ぎて見えていた印影の色も、むしろ馴染みすぎてコントラストが失われているくらいだった。
もともとそれほど浮いてもいなかったのかもしれない。
結局は微調整だけの堂々巡りで、処理としてはきれいになったが、一つ前の状態に戻っただけのようにも感じられる。
もっとも、おかげで次にシャドウを入れる加減のイメージはできたのだが。
少しずつでも、やれることをやってみたのはまちがいではなかった。
そんな単純な事は、ポップソングで歌われるくらいわかりきったことなのに、実行するとなると難しい。
迷う、悩む、とにかく不安があるのだ。
視界が、気持ちが狭くなっているときは、本当に何も見えていなかったということなのだろう。
ひとまず、どうにか次に進めそうではある。
自宅での作業も、ここのところペースが遅い。
2月中の完成にも間に合わなかった。
こうして、できないことばかりを並べるのも良くないのだが、どうにも落ち着かない気分が続いてしまっていた。
本来、こういった想いは作品に込めるのが表現者としてあるべき姿であるとわたしは考えているので、あまり好ましいことではないと思いつつ、吐き出すつもりで言語化してみた。
花粉症も本格化してきて、余計に気分が滅入りがちな時期だが、何とか気持ちを切り替えていきたい。