暗色の謎

2020/9/19


制作の終盤、暗い色の上にさらに暗い色を重ねると、なぜか暗くならずに色が抜けたように浮かんできてしまうことがある。
今回制作した100号の作品では、それを避けるために、暗色のディテールにはランプブラックという黒をそのまま使用してみた。
その結果が以下の画像。

上の画像では、杉の木の印影に、下の画像では奥の杉の木の印影と手前の木の幹に、ランプブラックを使用しているのだが、やはり浮いてしまっている。
特に上の画像の杉の木は、明るい色になっている点描の箇所のほとんどが、ランプブラックだったはず。

塗った直後は確かに暗くなっているが、時間が経って表面が乾いてくるとこのような状態になってしまうのである。
もちろん、乾くと色の見え方は変わってくる。
しかし、その前に塗っている色は、グレーやグリーンを混色しているので、間違いなく黒よりは明るくなっているはずなのである。
オイルの量も控えめにしているので、絵の具を伸ばしすぎて透けているということもないだろうし、絵の具が乗らなくなるほど重ねてもいない。
しかも一度こうなってしまうと、何度塗りなおしてもリカバリーできないので困っている。

というわけで、原因がまったくわからない謎の現象なのだ。
いつもこのようになるわけではないので、何か条件があるのだろうが、調べてみてもよくわからなかった。
制作の合間に余ったキャンバスでも使って一度きちんと検証してみたほうが良いかもしれない。

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