時計が遅れていく

2020/10/15


最近、腕時計がよく遅れる。
去年の6月頃に購入したばかりの自動巻きの時計なのだが、年末くらいから少しずつ遅れが気になるようになった。

初めの頃はリューズの巻きが足りないのだろうと思いこまめに巻くようにしていたし、それほど極端に遅れることもなかったので、あまり気にしてはいなかった。
しかし、最近は30分も見ないでいると数分遅れていて、そのたびに直しても、時間が経つとまた遅れるという状態が続いている。

もちろん、自動巻きなので手が動けば発条が巻かれるはずだし、巻き過ぎ防止の機能もあるので、巻き過ぎて壊れてしまうこともないだろう。
それでも、時には秒針が止まっていることさえある始末だ。
きっと見ていない間には、何度も何度も止まっているに違いない。

今日は仕事の帰りが少し遅く、21時前の帰宅だった。
手を洗おうとして時計を外すと、ちょうど終業時間を示していた。
まったくの偶然であることはわかっているけれど、からかわれているような、子供じみたいたずらに巻き込まれているような気がして、何者かの意思を錯覚してしまう。

わたしは役に立たない道具が嫌いだけれど、具合の悪い道具を、文句を言いながらだましだまし使うのは嫌いではないらしく、時計の遅れもいくらか面白がってさえいた部分がある。
とはいえ、さすがに不便なので、そろそろ修理に出そうと思う。

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