クロッキー

制作記録

2021/5/23


今年は例年に比べて早めの雨の季節となっている。
先週から雨が多くじめじめとしているけれど、今日は晴れ間がのぞいて、気持ちの良い1日だった。
午前中は屋外で制作とは関係のない作業をし、午後はアトリエで作業をしていた。
湿気が多かったせいで、アトリエ内には湿気たにおいが充満していた。
作業服も、霧吹きで水をかけたのかと思うくらいに湿っていて、空模様とは逆に、室内は大分不快だった。
作品もカビが生えたりしないか心配である。

さて、最近、10分間のクロッキーを行っている。
練習や下絵というよりも、時間を決めて集中を上げてから制作に移ろうという考え。
もともと集中があまり続かない性質なので、少しルーティーンのようなものを作れればと思っている。

その中で、ずいぶん昔に購入したもののほとんど使っていなかった人物のポーズ集なども引っ張り出してみたり、普段描かないようなものも手を付けている。
形をとるのは、正直昔よりずっとうまくなっていて、輪郭をなぞってそれらしく描く分には何とでもできる。
ただ、重力がある空間の中に人が立っているという表現が全くできていない。
線がきれいでそれらしく描けているよりも、実際の人体とは異なるような歪みがあっても、筋肉のボリュームやテンション、体重がどこに乗っていて、どこの関節で体を支えているかがしっかりとらえられているほうが好ましい。
例えば、右足に体重をかければ、右側の股関節上部で体を支えるのでそこにテンションがかかり、反対の足の筋肉は緩む。
上体を傾ければ左右の腹部の筋肉はもちろん、肋骨、鎖骨まで連続して大きく左右差が出る。
そういった特徴となる部分が表現できていればこその説得力が身に着くことを期待している。

こういった試みは、直接作品に反映されることはないけれど、モチーフの見方や、完成までのプロセスには良い影響があるのではないかと思う。
絵の中で一部だけ自信なさげに立っていた部分が、少しでも胸を張れるようになってくることで、作品全体の違和感が減り、視覚的な粗でせき止められていた本題を、よりストレートに鑑賞者に伝えられるようになれば何よりである。

もちろん風景の写真のクロッキーも行っているのだが、描いてみると以前よりもペインティングを意識した描写になっていることに気が付いた。
かつては線を追って描いていたものが、最近のクロッキーは面を作っていく進め方になっている。
10分しかないので、全体に手を入れるために自然にとった手法ではあるのだが、いつのまにか油彩の描き方が染みついていることが、自分で面白かった。

いまさら始めた初歩的な作業にもいろいろと発見があって、何でもやってみるものだ、と改めて思う。
36色入りの色鉛筆も新調したので、しばらくちょこちょこと遊んでみたい。

制作の進捗は以下のとおり。
自宅の作品はいつもよりも幾分進みが良い。
描き方を少しずつ変えてきてはいるのだが、今の描き方はいつになくすんなり描けているような気がする。
良い傾向である。

ところで、ブログを書くようになってしばらく経つが、天気の話から書き始める癖があることを自覚し始めた。
当たり障りはないけれど、月並みが過ぎる。
雲が多い時期なので難しいかもしれないが、次回は天気の話題はなるべく避けるようにしたい。

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